第8話

 スピード感が出てきて、序盤に比べると格段に面白くなってきている。特に今回は様々なことが次から次に起こり、目の離せない展開だった。また、試合の演出として、試合に重ねて他の人物の動きを描くことで、試合自体を長く見せないようにしていたのは、とても良かった。これなら、飽きることもないし、かといって試合が唐突に終わってしまうこともない。
 全日本高校選抜の猪野熊監督(船越英一郎)は、バレーボールの技術だけでなく、選手の心の強さを重要視しているようだ。確かに、選抜に選ばれた時点で、その選手の技術はかなり高いレベルにあるわけで、そこからさらに上へと進んでいくためには、技術以上のものが必要となる。それが心の強さ(冷静さ、冷徹さ)なのだろう。
 猪野熊は、初期の段階から、こずえ(上戸彩)にその心の強さが欠けていることを見抜き、彼女をキャプテンにしたのである。そして、選抜に残すメンバーを選ばせたわけだが、そこで冷徹に選ぶことができなかったこずえを富士見学園に返した。そのこずえが、富士見学園でのいろいろな経験を通して、強い心を持ち得たことが今回猪野熊に伝わったわけで、これにより、こずえを再度選抜メンバーに選ぶ決意が固まったことだろう。
 しかし、その猪野熊の知らないところで、こずえにはさらなる試練が訪れた。それが、一ノ瀬努(松尾敏伸)の事故である。彼の様態は不明であるが、この試練を乗り越えたとき、こずえは選抜メンバーとしての本当の資格を得て、戦い抜く決意をできるようになるのだろう。