「NEWS」草野博紀、飲酒している「ふり」で活動自粛

 いやはや、また飲酒騒動とは忙しい。つい先日、KAT-TUNのCDデビューが大々的に発表されただけに、タイミングが悪いというか、良いというのか……。

 ジャニーズ事務所は1月31日、人気グループNEWSの17歳のメンバーBの芸能活動を当面自粛することを発表した。Bはこの日発売の月刊誌で飲酒したと報じられた。自粛期間は未定。

 同事務所によるとBは「飲酒はしていません」と否定しているが事務所側は「誤解を招く行動を起こした」として活動自粛の処分を下した。さらに「現在事実関係を鋭意調査中」とし、調査が終了した段階であらためて見解を示す。

 Bは今春から、自己推薦入試で合格した都内の有名私大に進学する予定。所属事務所関係者は「本人が飲酒していないと話していることもあって、現段階で進学への影響はなさそうです」と話している。

 飲酒騒動を報じた月刊誌によるとBは昨年秋、制服姿で女性と都内のカラオケボックスに入り、歌唱を楽しんだという。盗撮したと思われる映像には、テーブルの上のチューハイや発泡酒の缶などが写っている。Bが缶を口元に運ぶ場面も掲載されている。

 NEWSは昨年7月、ほかのメンバーAが飲酒により補導され、芸能活動の無期謹慎処分を受けている。Aの復帰時期は現在も未定のままだ。

 同事務所は多くの未成年タレントを抱えている。これまでも飲酒や喫煙が明らかになったタレントを解雇するなど、厳しい処分を下してきた。今回も本人は否定するもののタレントとしての自覚の欠如を重く見ている。「関係各位及びファンの皆さまには多大なご迷惑をおかけしたことを深くおわびします」と書面で謝罪している。

 私は、この写真が掲載された『BUBKA』等は見ていないが、ジャニーズの発表によれば、草野本人であることは間違いないということだ。上記記事中に出てくるAというのは、内博貴のことで、いまだ謹慎が続いている。そのような状況の中で、さらに飲酒問題が浮上するというのは、一体どういうことなのだろうか。事務所にも問題があるし、草野本人にも問題がある。同じグループのメンバーが謹慎しているというのに、何の自覚も反省もなかったということだろう。

法政大学合格取り消しの可能性

 内の場合は、ドラマ「がんばっていきまっしょい」の主要キャストとして出演していたため、周囲に与える影響が大きかった。だが、草野の場合は大学への進学が控えていたこともあり、ドラマの出演等はなかった。その点ではまだましだったと言える。ただ、自己推薦入試で法政大学に合格したとはいえ、今回の一件で合格取り消しになる可能性は高い。
 記事中には、「所属事務所関係者は「本人が飲酒していないと話していることもあって、現段階で進学への影響はなさそうです」と話している」とある。このコメントは詭弁のような印象を受けるが、かといって否定は出来ない。「現段階」ではまだ影響がないということ自体は事実だからだ。だが、どんなに「本人が飲酒をしていない」と主張したとしても、それはなんら意味のないことである。重要なのは、本人がどう言っているかではなく、事実がどうであるかということだ。
 もしも草野の飲酒が事実であれば、法政大学としても自己推薦で受け入れることは出来ないだろう。

有名私立大学とジャニーズの思惑

 最近、ジャニーズのタレントが有名私立大学への進学を決めることが増えている。「NEWS」のメンバーを見ても、山下智久小山慶一郎明治大学加藤成亮青山学院大学手越祐也早稲田大学、そして草野博紀が法政大学と、有名私立大学のオンパレードと言えよう(後者3人は進学予定)。これ以外にも、ジミーMackyが早稲田大学に合格したことも記憶に新しい。
 高校時代から芸能活動を続けているタレントは、大学に進学しない場合も多い。進学したとしても、いわゆる有名私立大学に合格するというとはまれで、偏差値の低い大学への進学がほとんどであった。堀越学園から亜細亜大学へという流れは昔から良く見られたような気がする(堀越学園亜細亜大学を否定しているわけではありません)。だが最近は、上に挙げたように、有名私大への進学が目立つ。
 内部進学である加藤を除いて、彼らに共通しているのが、推薦やAOによる合格という点だ。かつて、早稲田大学広末涼子が入学したことがあったが、あの時はいわゆる一芸入試であった。有名私大と言えども、少子化等により、経営が楽とはいえない状況である。そのため、どの大学も、受験生確保に躍起になっているのだ。大学の人気を上げるための一つの手段として、有名タレントを入学させるというのは、昔からある手法だが、特に近年、有名私大においてもその傾向が強くなっているのだろう。
 もちろん、いくら人気のあるタレントだからとは言っても、その大学に相応しくない人間を合格させるようなことはないはずだ。だから、彼らの実力も十分にあると考えて良いと思う。しかし、では一般入試を受けたら受かるかというと難しいのではないかと思う。つまり、一般入試で合格できるレベルより上の大学に合格することができ、ジャニーズ側にとってもメリットは大きい。双方にとっておいしい話なのである。
 これは別に悪いことではない。そもそも自己推薦やAO入試というのは、学力的には多少劣っていても、それ以外の点(運動や芸術、人間性など)で魅力的な面を持っている人物を入学させることが目的なのだから、タレントとして活躍している彼らを合格させるのは当然と言っても良いのだろうと思う。
 しかし、時には、今回の一件のように、合格させた後で何らかの問題が発生するということも十分に起こりうる。こうなった時に、大学側のイメージ低下は免れない。また、問題が起きなかったとしても、タレントを安易に入学させているという印象を一般の人々に与える可能性もある。事実、早稲田大学広末涼子を入学させたおかげで、イメージが低下した。その点、慶応大学は確固としたブランド力を持った強さというか、安定感があるためか、タレントを推薦入学させることは見られない。

バッドニュースだらけの「NEWS」

 North(北)・East(東)・West(西)・South(南)の頭文字をとって名付けられた「NEWS」。当然、「ニュース、報道」の意味の「news」とかけたネーミングであろう。皮肉にも、後者のニュースが先行していしまい、文字通りニュースだらけ、それもバッドニュースだらけのグループになってしまった。森内貴寛内博貴・草野博紀と、三人ものメンバーが問題を起こすとは、事務所側としても予想だにしなかった想定外のことだろう。
 もともと、このグループは状況や活動地域によってメンバー構成を変化させるという体制をもっている。私は、デビュー当時、ハロープロジェクトのシャッフルユニットを意識してこのような体制にしたのかと思っていた。だが、ふたを開けて見れば、メンバーの個人活動の状況に合わせて、忙しければグループ活動に参加しない場合もあるという感じでしかなかった。おそらく、結成当初から、メンバーのばら売りが想定されていたのだろう。山下や内、錦戸のように当時から人気が高かったメンバーの個人活動を制限しないための抜け道的な体制だったと考えられる。
 このように、特殊というか、臨機応変というか、都合の良いというか、そんな体制で始まったグループだが、森内が抜け、内・草野が謹慎という状況なると、流動的な体制というのもまた皮肉に感じられる。すでに、一部報道では「メンバーは7人」という、内の存在を無視したような書き方もされており、場合によっては、「NEWS」は6人になる可能性もある。
 錦戸はソロ活動も行い、山下はドラマに引っ張りだこであることから、「NEWS」崩壊という最悪のシナリオもありうるかもしれない。しかし、ジャニーズの方針では、完全なソロ活動は認めていないようなので、解散する可能性は非常に低いだろう。ただ、KAT-TUNのCDデビューにより、その存在感が薄まるということは十分に考えられるし、山下らのソロ活動(あるいは、修二と彰のようなグループ外の活動)に重きが置かれるということもあるのではないだろうか。
 「NEWS」のメンバー8人(内を含めて)の中で、大学進学は5人(草野を含めて)。ジャニーズきっての知性派グループということになるわけだが、同時に、最も問題を起こす率が高いグループとなってしまった。これまた、皮肉なことである。

飲酒している「ふり」で活動自粛

さて、話を飲酒問題に戻そう。

 (前略)

 31日発売の月刊誌「ブブカ」によると、未成年メンバーがカラオケボックスで、ファンらしき女性と2人で、制服姿のままチューハイ缶を手に取り乾杯。その缶を口にしたり、曲を熱唱する姿を巻頭で3ページにわたって写真で掲載している。この写真はビデオ映像から転写したとみられる。

 撮影日時は不明だが、制服が冬服で、少年が修二と彰の「青春アミーゴ」を熱唱していることから、同誌は「昨年10月から12月中旬ごろ」としている。

 所属事務所の事実確認に対して、少年は「口まで持っていったが、実際には飲んでいない」と、飲酒の事実を否定しているという。その上で同事務所は、この日の夕方、マスコミに向けたファクスで見解を発表した。

 それによると「本人に確認致しましたところ、飲酒の事実はないとのことですが、誤解を招く行動を起こしたことで、弊社においても現在、事実関係を鋭意調査するとともに、関係各位への影響を考え、当分の間、本人の芸能活動を自粛することを決定しました」としている。

 (後略)

 ジャニーズ側の発表によれば、草野は、缶チューハイで乾杯をし、それを口に持っていったものの、飲むふりだけで止めたということらしい。だから、飲酒はしていないが、紛らわしいことをしたから、活動を自粛させるとともに、事実関係を調査するそうだ。
 まず、この発表からいけば、草野の名前を伏せる必然性は微塵もない。にもかかわらず、私が見た限り、名前を出している報道は皆無だったし、法政大学という大学名さえも、有名私立大学などとして伏せられていた。報道側の自主規制だろうか。あたかも、飲酒が事実であるかのような自主規制っぷりに、正直、苦笑せざるを得ない。
 ジャニーズがすべき事実関係の調査は簡単である。写真のもとになったビデオ映像を見れば良いのだ。『BUBKA』はそのビデオを持っているのだろうと思うが、それを見た上で記事にしたはずだから、どう考えても草野の飲酒は事実であろう。証拠ビデオがあるにもかかわらず、口まで持っていっただけなどという稚拙極まりない言い訳をするとは、お粗末としか言いようがない。あるいは、本当に口に持っていっただけなどという、冗談みたいな事実があるのだろうか。
 なにはともあれ、飲酒をしているふりだけで自粛をするとはなかなか厳しい。裏を勘ぐりたくなるのは当然だろう。噂によれば、そのビデオの中で、草野はかなり横柄な態度をとっていたらしい。それが事実だとすれば、飲酒したかどうかという以前に、そういうおごり高ぶった、天狗状態になってしまったということの方が重大だと思う。20代前後の若手タレントが人気の上昇と共に陥りやすい穴である。以前、赤西仁上原多香子の熱愛報道の際にも同じようなことを書いた。こういうタレントの意識を上手く制御するのが事務所の仕事であろう。タレントたちの未来のために、もっと気を引き締めてもらいたいものだ。

もう一つの見方

 ここで終わりにしても良いのだが、一応、ジャニーズ(草野)擁護的な見方も示しておこう。
 今回の一件、何と言っても大きいのはビデオの存在である。私は、『BUBKA』を見ていないが、ネット上で見つけた画像を見る限り、そのビデオの映像は、監視カメラのものではない。つまり、盗撮である。しかも、カメラの真正面に草野が映っている。そういうシーンを選んで掲載したのかもしれない。しかし、偶然隠しカメラがしかけられていたカラオケボックスに草野が来て、酒を飲む(ふりをする)などといううまい話があるだろうか。
 何が言いたいかというと、草野ははめられたのではないかということだ。誰によってかは分からない。だが、このようなうまい偶然の裏には、何らかの意図があるのではないかという気がするだけだ。根拠のない想像でしかないが、事前にセッティングされていたカラオケボックスに上手く連れ込まれた可能性もあると思う。だとしても、誘いに乗った草野自身に問題はあるだろうけど。
 本当に偶然かもしれないし、そうではないかもしれない。それは分からないが、少なくとも、ビデオがあることは事実である。たとえはめられたのだとしても、草野が悪くないということにはならない。多少、情状酌量の余地が見えてくるというぐらいだが、一応最後に書いておいたまでである。