第7話「ホーム解散!」

 第5話あたりから暗転への兆しが見えていたが、今回の第7話において、「風の丘ホーム」閉園という形でそれが顕在化した。中間状況のなかで、養護施設という、ややもすると完全に重いだけの話になりがちな舞台を描きながらも、神崎次郎(木村拓哉)の破壊力によって適度に中和できているところが良いと書いた。そのバランスが、物語の暗転によって崩れてしまうのではないかという危惧があったのだが、第7話を見た限りでは、その心配は杞憂であったように思う。
 警察へ向かう途中の、次郎と大輔(石田法嗣)のやり取りは、見ていてとても気持ちが良かった。その中で描かれた大輔の葛藤を見れば、近隣住民の提案がいかに不条理であるか、また彼女たちが子供の表面しか見れていないかということが強く感じられる。そもそも、撤退要求が強まる発端となった、第5話での園部徹(有岡大貴)の暴力行為の原因は、彼をいじめたホーム外の少年にあったわけだが、彼女たちはそのことにも気付けていない。つまり、自分の子供についても、やはり表面的にしかとらえることができていないのだ。
 彼女たちと、ホームに子供を預けている親たちとの間にはそれほどの違いがないように思える。このドラマにおいて、子供を的確に見ることができているのは、園長の猛(原田芳雄)と次郎だけなのではないか。親としての能力が低い者達によって、その能力が高い者が追い立てられるという倒錯した状況である以上、そこに、ホーム存続のための打開策が見出せるのではないかと思う。次回以降、ホーム存続への力強い動きが見られることを期待したい。
 なお、今回の中心人物であった塩谷大輔役の石田法嗣は、表情による演技がうまく、台詞がなくても気持ちが良く伝わってきた。今後の活躍が期待される。