第8話「出来心」

 今回も部分的な面白さはピカイチだが、全体的にはまあまあという感じ。やはり、虎児(長瀬智也)の落語が面白くないのが原因だろうか。部分的にでも面白いのだから、それで十分なのかもしれないが、宮藤官九郎脚本というと、それ以上を求めてしまうのである。
 今回、組長(笑福亭鶴瓶)が落語をやっていたが、彼が率いる「新宿流星会」の根底にあるのは、落語的な人情なのであろう。だから、麻薬などには手を出さない。暴力団ではなく、昔ながらのヤクザなのだ。
 この作品自体が一種の人情話であり、落語なのだろうと思う。落語家もヤクザも人情を語り、実践するという点では共通しているということだろう。