第10話「色狂いの毒虫」

　杏梨（牧瀬里穂）暴走。やはり止められなかった。しかし、終盤において彼女の暴走を止めた人がいる。弘子（森口瑤子）だ。彼女は富士山花店の乗っ取りを計画していた。おそらく、耕平（加藤浩次）と千夏（飯島直子）の関係を強め、耕平と杏梨の間に問題を生じさせたのは、単に、杏梨が憎らしかったというだけではなく、耕平が店の経営に集中できない状況を作り出すためだったのだろう。弘子の舌は恐ろしいほどの戦略性のもとに蠢いていたのだ。
　結局、この物語の勝者は弘子と光哉（田中圭）なのだろうか、それとも、千夏の逆転劇があるのか。弘子と千夏が手を結ぶかもしれない。また、富士山花店はどうなるのか。そして、いまだ痛手を負っていない白川（藤竜也）は？
　内館牧子は最後の最後まで力を抜いていなかった。前回の感想で、前半の方が良かったと書いたが、前言撤回せざるを得ない。果たしてどうなるのか。スリル溢れる怒涛の展開を期待してしまう。

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