第8話「鉄の女、号泣!!」

 前回も楽しめたが、今回も良かった。鉄の女・佐伯絵里(瀬戸朝香)の子供をめぐる物語であったが、それを通して、今まで貴子(天海祐希)と敵対的な関係であることが多かった佐伯が、ついに貴子や事務所のメンバーたちと分かち合えたのである。
 佐伯は好戦的で、強硬派であり、勝つためには手段を選ばない弁護士として描かれてきたが、彼女は本当の「鉄の女」ではなかった。今まで描かれてきたのは、弁護士としての彼女の姿勢であって、本当の彼女は、自分の子供に対して強い愛情を注ぐ、とても優しく魅力的な女性であった。
 その佐伯は、別れた夫の高木正樹(田辺誠一)と親権を奪い合うこととなったわけだが、それは両者の誤解による悲劇であったといえるかもしれない。実際には佐伯も高木も、どちらともが子供を大事に思う、善者なのであった。二人の間で繰り広げられたいざこざは、悲劇的なものであったが、最終的には分かち合い、良い結末に辿りついた。
 特に、佐伯が事務所のメンバーの優しさに触れて、事務所の結束が強まったことは、このドラマにおいてとても有意義であったと思う。佐伯の登場はドラマにとってマイナス要素に感じられていたが、第8話において、やっとプラス要素に転じたように感じる。もっと早い時点にこの話を持ってくることは出来なかったのだろうか。少なくとも折り返し地点の5話あたりで描かれていたらもっと良かっただろうと思う。
 とにかく、今回の話を経て、今後がより魅力的な展開になることを期待したい。