第4話「壁にぶつかるまで我慢しろ」

 桜木(阿部寛)率いる特進クラスに、桜木の恩師である“東大数学の鬼”柳鉄之介(品川徹)が迎えられた。昔ながらのスパルタ教育、詰め込み教育主義者で、矢島(山下智久)ら生徒の反発を受けるものの、さすがは鬼というだけあって、やっていること自体は納得できる。
 息抜きも兼ねた「トランプ勉強法」も面白いが、なんといっても真骨頂は「問題解答同時プリント」である。実際に解くのではなく、解き方を頭の中で考え、3分たったら答えを見て確認という方法はとても理にかなった勉強法である。これに類する勉強法はすでに和田秀樹らによって提唱されているので、特に目新しいわけではないが、それだけに説得力があった。
 数学はとにかく数をこなすことが必要なので、計算部分を省略し、ひたすら解き方を勉強するというのは、限られた勉強時間を有効に利用する方法だろう。個人的には、この勉強法にいたる前の、基本的な公式類を習得する段階における斬新な勉強法を提示してほしかったのだが、それは普通に勉強しろということか。普通に教えて彼らがこんなに早く習得できるとは思えないのだが……。
 ところで、今回、桜木が東大出身でないことが明らかになった。桜木が東大卒であるならば、東大を出れば良い生活が送れるという彼の主張は、彼自身の置かれている状況(水道代も払えないほどの苦しい家計)と矛盾する、というようなことを以前、どこかに書いた記憶がある。しかし、桜木が東大卒でないとなると、東大に行けという主張は、彼自身の経験を通してのメッセージなのだろう。それならば大いに納得できる。