第1話「夏の恋が始まる」

 また負け犬話か。春期ドラマでは「anego」「曲がり角の彼女」と、いわゆる負け犬を中心にしたドラマが重なったが、この「スローダンス」にも牧野衣咲(深津絵里)という負け犬が登場している。それだけでまたか、と言ってしまうのは酷だろうか。
 初回を観た限りでは、まだ、負け犬的な性質を中心に据えるのかどうか分からないが、多少は絡んでくるのだろう。だから悪いというわけではないが、あまりにステレオタイプ化しすぎているので、もう少し違う描き方をしてくれることを期待する。
 ストーリー自体は、幾分緩やかすぎるきらいもあるが、悪くはなかった。芹沢理一(妻夫木聡)と牧野との出会いのシーン、教習所での再開、教官と教習生という関係、過去には学生と教育実習生という逆の関係だったことなどが、上手くつながっていたと思う。特に、芹沢の心に残っていた牧野の言葉が『スラムダンク』からの引用だったというくだりは、二人の性格を表していて良かった。
 今後の展開が見えてしまう感じもあるが、とりあえずは期待しておこう。