KAT-TUN亀梨和也が3代目金田一少年(1)

 KAT-TUN亀梨和也が3代目金田一少年を演じることが発表された。

 人気アイドルグループ、KAT−TUN亀梨和也(19)が今秋放送の日本テレビスペシャルドラマ「金田一少年の事件簿〜吸血鬼伝説殺人事件〜」に主演することが13日、分かった。名探偵金田一少年役は過去に、同じジャニーズ事務所の先輩であるKinKi Kidsの堂本剛(26)と嵐の松本潤(21)が好演。“三代目”を襲名した亀梨が“ジャニーズの名にかけて”謎解きに挑む。

(中略)

 「金田一少年の事件簿」は「週刊少年マガジン」(講談社)に平成4年10月から13年1月まで連載された人気漫画。単行本は、現在まで全27巻が発行され約6700万部の超ベストセラーとなっている。

 今作品のもととなった「吸血鬼伝説殺人事件」は、昨年8月から10月まで連載され、連載期間中は通常の発行部数240万部より15万部もアップした人気作品。平成9年12月には、堂本主演で映画化(「金田一少年の事件簿 上海魚人伝説」)され、配給収入14億円のヒットに。堂本版の美雪は、ともさかりえ、剣持警部は故古尾谷雅人さん、松本版は鈴木杏内藤剛志が演じている。

 『金田一少年の事件簿amazon.co.jpでチェックはコミックとして登場した後、ドラマ化amazon.co.jpでチェック、映画化され、そのどれもが高い支持を得た超人気作品である。原案は金成陽三郎覆面作家天樹征丸、作画はさとうふみや。天樹、さとうのコンビはその後『探偵学園Qamazon.co.jpでチェックなども生み出している。『金田一少年の事件簿』の場合は、天樹征丸自身により、小説化amazon.co.jpでチェックもなされており、いまだに人気のある作品である。
 だが、発表当時はミステリ関係者からは認められなかったどころか、批判の的となった。この作品の中の一篇が某有名作家の某有名作品の盗作であるという指摘がなされたのである。この一件は、ミステリ界にそれなりの論争を巻き起こしたように思う。それゆえ、いまだにこの作品を好まない(あるいは認めない)という人もいるが、全体的には落ち着いたようだ。
 ミステリの場合、トリックの盗用というのは、一番問題となる。偶然、同時期に同じトリックを思いついてしまうということもあるようだが、先に発表している人がいる場合、自分で思いついたトリックでも、そのままの形では出さないことが多い。ミステリにおけるトリックというのは、独創性を要求される部分なのである。
 そのトリックを盗用したのだから、問題になってしかるべきだ。しかも、コミックという、誰もが読みやすい形であったことが傷を広めてしまった。気軽に読んだコミックで、日本推理小説界の重要な位置を占める傑作のトリックを知ってしまうわけだから、読者にとっても痛手である。藤原宰太郎らによる推理クイズを子供の頃に読んでしまった結果、その後ミステリ愛好家になり、東西の傑作を読むようになったときに、唖然とするのと同じことだ。
 そのように、もともとのミステリ小説ファンからは白い目で見られた時期もあった本作だが、一般の人々のウケは良かった。ちょうど、先日購入した『ジャーロ No.20』(光文社、2005年7月発行)に掲載されている「ニアミステリな関係 第20回」において、探偵小説研究会の廣澤吉泰が、諸岡卓真によるアンケートの結果を紹介している。そのアンケートというのは、諸岡が大学の講義で、女子学生を対象に行ったミステリに関するアンケートなのだが、その中の質問に「一番初めに触れたミステリ作品」を聞くものがあった。その回答のトップが『金田一少年の事件簿』だったというのである。全体(115名)の約40%を占めたらしい。
 部分的な引用で申し訳ないが、これほどまでに『金田一少年の事件簿』は浸透しているのである。『金田一少年の事件簿』は、ミステリの世界の門戸を広く開放した作品の一つと言って良いだろう。本作や、青山剛昌による『名探偵コナンamazon.co.jpでチェック、あるいは、ライトノベルとして発行されるミステリ小説、そしてドラマや映画などは確実にミステリ愛好家の裾野を広げている。一概には称えられないが、これらの異なったメディア形態がミステリの発展に寄与したということは一目に値する現象であろう。
 と、なんとなくまとまってしまったので、とりあえず、ここでいったん終わりにしておく。亀梨和也が主演するという、ドラマとしての『金田一少年の事件簿』については、明日以降に持ち越しにしておく。
2005/07/28「KAT-TUN亀梨和也が3代目金田一少年(2)」を掲載しました。