第2艇「涙の青い海」

 いかにもな青春だが、そこには微塵の照れもなく、真っ向勝負という雰囲気だ。金子ありさの脚本には、一つの方向にとにかく突き進もうとする力強さがある。本作の場合は、青春まっしぐらなのだろう。
 菊池多恵子(岩佐真悠子)が女子ボート部に入るまではもう少し時間がかかるのかと思っていたが、意外に早かった。彼女は、取り巻きがいるようなお嬢様で、しかも気が強いように描かれてきた、だが実際には、家族の不和により、寂しさを抱えていたのである。その彼女がこれほど早くに女子ボート部へ入部したのは、悦子(鈴木杏)の優しさのおかげであろうが、それ以上に、松山という土地の優しさのおかげでもあった気がする。松山にいたからこそ、純粋な心を保っていられたのだろう。これが、東京の話となると、多恵子は完全にグレてヤンキーにでもなってしまったに違いない。
 こうして、女子ボート部は無事5名の部員を獲得し、新人戦へも出場できるようになった。あとは、練習によって技術を上げていくのみであるが、その過程で様々な事件が起こるのだろう。それもきっと、さわやかな事件なのではないかと思う。彼女たちの青春を楽しみに観ていきたい。
 さて、このドラマには、重要なポジションを占める男子もいる。関野浩之(錦戸亮)と中田三郎(内博貴)だ。今回、この正反対の性格をした二人は直接対決をし、結果、アツイ関野がクールな中田に負けた。しかし、中田はクールな自分が好きになれないような雰囲気だった。原作を読んでいないので分からないが、きっと男子ボート部に入って、関野と共にアツイ男になるのだろう。
 だが、そんな予想は、中田を演じる内博貴の無期謹慎により、完全に打ち破られた。昨日も書いたが(2005/07/16「NEWSのメンバーが飲酒で補導」)、彼の出演は全てカットされるということだ。ドラマ内で重要な位置を占めていただけに、残念であるし、今後の展開に対する不安を拭うことができない。まだ、中田がそれほどストーリーに絡んでいない段階だったのが、何よりの救いと言えよう。もし、彼がボート部に入部などしていたら、カットするのも困難だったはずだ。
 果たして、次話以降どうなっていくのだろうか。ストーリー上の展開も楽しみだし、主要キャストの降板という点からも気になる。しばらくはいろいろな意味で目が放せない。