第6話「三角関係」

 現在の巧(成宮寛貴)と澪(ミムラ)の恋は、学生時代の巧(福本有希)と澪(黒川智花)の恋と重なり、また一つ夫婦へと近づいた。
 ゆったりとした流れに変化はないが、冗長に感じられることもなく、やはり心地よい。その理由がどこにあるかは難しいが、一つには登場人物たちにあるのではないかと思う。このドラマの登場人物たちは皆、他人想いである。憎しみは微塵も感じられないし、争いも起こらない。
 それゆえに、非現実的で偽善的な印象を与え、反発を感じさせる可能性もある。しかし、それほど批判的な意見がみられないのは、ファンタジー作品であるからとも考えられるが、我々が心のどこかでこういう世界を求めているからなのかもしれない。争いもなく、誰もが周囲の人間のことを考えて行動している世界。現実には存在し得ない、空想世界だと知りながら、いや、空想だと分かっているからこそ惹かれるのだろう。