第6話「修羅場」

 宇市(橋爪功)のしたたかさにも綻びが見えはじめた。山守の戸塚(石田太郎)が言ったとおり、嘉蔵(森本レオ)が彼に遺言を残さなかったのは、横領を知っていたからかもしれない。
 となると、当然、文乃(米倉涼子)にもそのことをもらしているはずである。にもかかわらず、彼女が宇市に彼のことを嘉蔵が信頼していたと告げたということは、それが嘉蔵による指示である可能性もある。嘉蔵が宇市の横領を知っていれば、その証拠を文乃に託しているかもしれないし、それ以上の策略が授けられているかもしれない。
 ただ、それならばはじめから遺言で文乃に遺産を与えれば良いだろうと思ってしまうが、嘉蔵が婿養子であり、しかもその愛人という立場上、そう簡単にはいかないということだろうか。
 宇市、梅村(高橋克典)の対決も見もので、次回梅村と藤代(高島礼子)は山林に行き、宇市の企みを暴くことができるだろうか。また、文乃の隠し玉とは何だろうか。遺産はいらないと公言している文乃が今後、遺産を手に入れようとするのかは分からないが、まだまだ大きな波乱が待ち構えていそうだ。