第2話

 矢島三姉妹とそれを取り巻く人々の関係が少しづつ形になってきた。4人の遺産相続者にそれぞれ味方(といっても、それぞれの思惑を持った味方)が付くようになったからだ。
 藤代(高島礼子)には梅村芳三郎(高橋克典)、千寿(瀬戸朝香)には夫の良吉(沢村一樹)、雛子(香椎由宇)には叔母の芳子(浅田美代子)、そして文乃(米倉涼子)には宇市(橋爪功)である。
 というのは、一応の構図で、まだ明確でない部分もある。おそらく、それが今後の展開において重要な部分なのであろう。その一つが、梅村の存在である。彼は、藤代の味方であることを強調しているが、その一方で文乃にも近づいている。文乃への接近が、藤代のためのスパイとしての行動であるという可能性もあるが、まだ良く分からない。彼が文乃の味方になると、相続者たちの力関係にも大きく影響がでるだろう。
 さらに、宇市も曲者である。彼は、頼りないような雰囲気を自己演出しているが、相当したたかな人間のようだ。それは、初回にマージンを受け取っていた場面からも分かるし、今回、文乃から受け取った掛け軸を着服したところにも表れている。女系家族の中で、最も上手く立ち回っている彼が最終的に一番の利益を得るという可能性も否定できない。
 女性同士のドロドロシーンよりも、静かに渦巻く思惑が入り乱れるような展開を観たい。キーになる男性の配置も上手いので、今後が楽しみだ。