第3艇

 例の一件(詳しくは下の関連記事リストを)でいろいろと話題にもなっているが、ドラマなどを観るときは、できるだけ現実社会と切り離して観たい。役者の方たちも自分を捨てて、役になりきっているのだから、観る側としてもその役者自身の問題については極力意識しない方がいいだろうと思う。とはいえ、それは理想で、実際には演者自身の言動とリンクさせて観てしまうのだが。
 そういうわけで、重要な役柄であった中田三郎は今回は姿を見せず、次回以降キャストを変更して登場するということだ。だが、まだそれほどストーリーに絡んでいなかったので、彼がいなくても、それほど違和感はなかった。編集で対応できる段階だったのが救いだろう。
 そのカットのせいかもしれないが、新人戦のシーンが異様に長い気がした。以前、「アタックNo.1」の時にも書いたが、スポーツを描いたドラマの中での試合のシーンはコンパクトにまとめるべきだと思う。今回は仕方なかったのかもしれないが、今後はもう少し上手く処理されることを望む。
 登場人物たちはみな魅力的である。女子ボート部のメンバーはそれぞれに特徴があるので、見ていて面白い。悦ネエ(鈴木杏)、リー(相武紗季)、ダッコ(岩佐真悠子)、ヒメ(佐津川愛美)、イモッチ(藤本静)というあだ名も微笑ましい。普段はかわいらしいヒメの力強い掛け声に、男子ボート部キャプテンの安田(北条隆博)が少し動揺していたのが面白かった。
 今回、悦子のキャプテンとしての悩みが、ブー(錦戸亮)がサッカー部で抱いた悩みと同質のものであり、その悩みために彼がサッカー部をやめたということが明らかにされた。そのシーンから、ブーの精神的な強さと、悦子への優しさが伝わってきて良かった。普段は悦子を遠くから見守っている彼の、悦子に対する想いは相当に深いものなのだろう。
 次回は、中田が帰ってくる。キャストの変更にはいろいろと意見があるだろうが、いかんせん急なことなので、なるべく苦言は控えて、優しい目で見守っていきたい。