第3話「キスと接点」

 他の方の評価はそれほど悪くないのかもしれないが、私はもう見るのをやめることにした。
 スローなのは結構だが、ただだらだらと延ばしているように感じてしまう。ゆったりした展開というのと、緩慢な展開というのは、同値ではない。ただ速いだけの展開が良くないのと同様に、展開が遅ければそれで良いというわけではない。速いなら速いなりの、遅いなら遅いなりの適切な理由や描写が必要だろう。遅いならば、人物描写を丁寧にやるとか、後半へ向けて徐々に加速させることで、はじめから速いとき以上のスピード感を出すとか。
 だが、このドラマは、ただ緩慢で冗長な展開に感じられてしまう。観る人によって感じ方が違うとは思うが、私の場合は、どの人物にも魅力が感じられないし、先の展開が気になったりもしない。連続ドラマを観る場合、途中の一話を見逃してしまうと、すごく残念な気持ちになるが、おそらくこのドラマではそうならないだろう。なぜなら、ストーリーに惹きつけられていないからだ。この先、誰と誰が付き合おうが、別れようが、はっきりいってどうでも良い。では、恋愛の行方以外に観るべき部分があるかというと、それもほとんどない。
 「幸せになりたい!」第1話の中で、ドラマは「いい男といい女が出て、泣けて笑えてハラハラドキドキするものがいいんだよ。」という台詞があった。「スローダンス」の場合は、妻夫木聡藤木直人田中圭らのいい男と、深津絵里広末涼子小林麻央らのいい女が出てくるだけで、他がない。いい男といい女を出しただけで力尽きている感じがする。一般的な意見はともかくとして、私はそう感じてしまったので、今回限りで観るのをやめることにした。