第3話「約束」

 巧(成宮寛貴)と澪(ミムラ)の夫婦のキャストに不安を抱いたのが申し訳ないぐらいに良く似合っている。巧と佑司(武井証)の親子の関係も、見ていて微笑ましい。こんなにも互いのことを信頼し、思いやれる親子はなかなかいないだろう。
 映像表現もとてもきれいで、見ていて癒される。それでいて、ストーリーは起伏に富み、冗長になることもない。このように落ち着いて見たくなるドラマというのは久しぶりのように思う。ドラマを見るときは大抵、他のこと(雑誌などを読みながらとか)をしているが、このドラマの場合は、集中して見ていたい。集中して、とはいうものの、肩肘を張らずに「眺める」という感じがちょうど良い。
 今回、巧(学生時代も含めて)と佑司(とくに佑司)の置かれた状況は見ていて辛くなるほどのものであったが、それだけに、佑司の強さと二人の絆の深さが良く伝わってきた。そして、終盤において、その絆の中に澪が加わり、少しづつ家族としての結束が生まれてきたように思う。
 さらに、「家族で隠し事はしない」という約束により、今まで澪に対して腫れ物に触るような接し方だった巧も、夫婦としての接し方に戻りつつあるようで、今後の三人の生活と、それを取り巻く周囲との関係性の変化が楽しみだ。