第4話

 宇市(橋爪功)強し。さすがに、長年矢島商事の帳簿を仕切っていただけあって、大変うまく立ち回っている。藤代(高島礼子)に山林の記載もれを指摘されたものの、のらりくらりとやりすごし、さらには開き直ることで、一族に頭を下げさせた。
 とはいうものの、今後、良吉(沢村一樹)らが本格的に動き出せば、宇市の立場も危うい。実際、良吉は早くから宇市に疑念を抱き、社長就任後は退職を促すつもりでいた。宇市を一番強く疑っているのは、彼だろう。
 しかし、その良吉の社長就任にも揺らぎが見え始めた。それは、文乃(米倉涼子)が嘉蔵(森本レオ)の愛人であることが、デパート側に露見してしまったことが原因である。梅村(高橋克典)の助言により、見事回避できるのだろうか。
 それにしても、梅村の真意はいまだに分からない。彼の目的はどこにあるのだろうか。藤代にとりいることで、矢島家の資産の一部を得ようとしているのかもしれないが、それにしては文乃との親しい関係が気にかかる。みている限りでは、文乃に近づいているのは、思惑があるというよりも、本当に嘉蔵を愛している彼女を想ってのことであるように思える。現時点で一番の謎がそれである。はたして、今後梅村はどのような振る舞いをするのか。それによって、遺産争いの結果はどう変化してゆくのか。緊迫感あるストーリーが心地よい。